スナックNAGASAKI/萬斎

以前、D&DEPARTMENT自由が丘の改修をお手伝いさせて頂いた流れで施主の今井様をご紹介頂きました。今井様はD&DEPARTMENT、アパレル業界を経て"うどん愛"といううどん屋さんを表参道で開いていらっしゃいました。 今回はジャズ喫茶など隠れ家的お店が立ち並ぶ道玄坂のディープスポットに少し違った業態で店を構えるということでご相談頂きました。

60年続いたスナックながさきというお店を改装して、１階をミュージックパブ、２階をお万歳とうどんが食べられるお店に変更するというお仕事。スナックの時は１階をメインで使っており、２階はお家みたいな感じだったので改装は大変でした。 デザイナーの鈴木さんの意向で１階のスナックはほぼありのまま、２階のお家は小料理屋に改装。１階は微妙に変える、２階は微妙に残す。その"微妙"なニュアンスをデザイナーの鈴木さん(鈴木工藝社)と作り上げていくのが難しく、楽しかったです。トイレの床などはデットストックされた材料を探しにいくなど古き良きを残すことに四年を残さずやり切ったお仕事でした。

渋谷でも有名な60年続いたスナック長崎。その面影を余すことなく残しつつ、新しい業態へと変化させた施主の今井さんと鈴木さんの世界観に拍手です。すごいなと思いました。設計や建築の観点ではなく、土地や歴史、空気感などいろんなことを継承してつくる内装は新鮮でした。いい意味でアンダーグラウンドな建築に触れた気がしてテンション上がったのと、新しい扉を見た気がしました。