鉄職人の家
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河合広大さんとの出会い
代表との大学時代からの友人です。10年を超える腐れ縁とも呼べるご縁で、大学-1社目の会社-独立後につくる工場のシェアと3つの時点が線になり10年以上付き合いが続きている関係になります。今回は、鉄職人である河合さんが引っ越しにあたり今まで積み上げてきた鉄職人としての経験・それに伴い吸収してきた様々な建築家・アーティストの感性・つくり方を一度形するという機会にご一緒させて頂きました。
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河合広大さんはこんな人
ハコリ代表の加賀山との初めての出会いである大学では、ラクロス部の日本代表キャプテンをつとめる。2009年卒で47株式会社入社後、25歳で父親と同じ金物の業界に活躍の場を移す。その後、縁あってハコリと共同で工場をシェアすることになり、その工場のリノベーションをほぼ1人ですべて行う。その頃から自身で金物のテーブルや椅子など家具を製作し始め、新たなクライアントとの出会いが生まれてくる。今では、本業でシェークシャックなど有名店舗の金物関係の仕事を任されつつも、個人での活動で有名な建築家・アーティストの方から直接仕事の依頼引き受けている。
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自身の部屋ををつくる上で、どんな工夫や試行錯誤がありましたか?
金物関係はすべて自分で調達・製作ができるのですが、金物はアクセントとして考えていました。メインにしたのは古材です。居住空間という観点で鉄は固いとか角ばっているというイメージがあり通常使いでメインにするものではないなと。古材にはぬくもりや温かみなど鉄にはない日常を感じることができます。鉄と木を実際どうやってこの空間に落とし込んでいったかというと、今までに関わってきたデザイナーの素材の使い方であったり、建築士の収まりを体で覚えていて体現しました。そういった経験を活かした空間を自身でつくり実際に住んでみて見えてきたこともあります。特に住空間で言えることですが、雰囲気や見た目のかっこよさ以上に、使い勝手が大切だと改めて思いました(笑)。暮らしやすさとは空間の雰囲気も然ることながら誰でも快適に過ごせるような空間作りが必要だと。時にそれは最新の設備や掃除がし易い素材なのかもしれない。次回はそういった観点も取り入れながら生活の質をあげられる空間をつくっていきたいと思います。
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最後に感想
ハコリ代表の加賀山です。大学時代からの付き合いである河合さんと、こういった形でお仕事をさせて頂くのは今回が初めてで、よい経験になりました。いつもは一緒に現場に入っってパートナーとしてハコリが内装全般、河合さんが金物の家具や金物取付の工事をすることが多いので。正直、今回の工事は本当に微々たるサポートでほとんど河合さんがデザインからディレクション・段取りまでやってくれていたので弊社の事例にするには恐れ多い案件でした。おまけに私が担当したのですが施工中にチャイムを壁に隠してしまいピンポンが鳴らないお部屋にしてしまいました。トントンして留守かどうか確認する形ですね(笑)。笑えなくもあるのですがそこは本案件では置いておいて、初めてインタビューさせて頂いてつくづくまっすぐに成長意欲をもって進み続ける方だなと思いました。あれだけひたむきに吸収とアウトプットを繰り返し続けると職人という立ち位置ながら、僕が口も聞いてもらえなさそうな優秀なデザイナーや建築士さんに対等以上の関係でものごとを発言でできるようになるんだなと。こういう職人さんはそう多くないと思います。彼が変えていきたい”職人”に対する見られ方や可能性、立ち位置は現時点、自身の力でどんどんと変えていっていると思いました。彼以外にも先輩ですごい粋なシェア工房を運営している左官職人さんがいますがそういったかっこいい職人さんがもっと世の中に増えていくと楽しいなと思いました。
CATEGORIES: 住居