GO TODAY SHAiRE SALON YOKOHAMA
01
初のオフィス物件からのコンバージョン物件
今回はもともとオフィスだった場所をシェアサロンに変えるコンバージョン案件。オフィスから美容室だとコストが店舗の物件よりコストが高いと考えるのが普通ですが、ここは駅からの距離が近く来年には駅直結に近い場所に大型のビルができるとにも関わらず家賃がとても安い。店舗より空中階のオフィスの方が家賃が安いんです。それでいて他階に2店舗も美容室が入っているので来客型の店舗が可能な稀少なオフィスビル。さすがGTSSさんがお目が高い。とはいえ工事としては結構ヘビーなのでオフィス工事ではやらない空調・換気の移設や水回りの工事も行いました。ネックだったのは電気容量が足りなかったので屋上のキュービクルから引っ張る工事などがありました。あとは天井が低いなど築年数から問題もありましたが打ち合わせを重ねながら古さは古さ、オフィスの感じはオフィスの感じでうまく残しつつ内装をつくっていくという感じで進めていきました。
02
横浜店のコンセプトとデザインについて
GO TODAY SHAiRE SALON Yokohama
横浜には1920年代に建てられた鉄筋コンクリート造のビル群、数多く残る木造の西洋館等、100年以上前の西洋風の建物を生き生きと使いながら残す文化があります。
シェアサロンという新しい用途の空間でありながら、レトロな趣を残す街に違和感なく馴染むデザインを検討していきました。
以前設計させていただいた原宿の店舗からの改善点として、複数のフリーランスの美容師の利用に耐えられる、壁の防汚性や強度、個室間の音の問題など、機能的な対策が求められました。
現代ではクラシックな装飾として取り入れられることの多い、開口部の枠や腰板、巾木などのモールディングを、防汚対策や補強等の従来の機能的な要素として取り入れることで、横浜に残る洋館の設えに重ね合わせています。
また、音の反響対策としてオフィス仕様の吸音板の天井をそのまま塗装して利用したり、釉薬の塗られたタイルをマッシブに使用したりと、横浜の街に断片的にみられる要素を組み合わせています。
多店舗展開をする中で単調になりがちなインテリアに、地域性を持たせるデザインと、コストコントロールの両立に挑戦しています。横山信介(設計)
03
横浜店をつくっていく上で、どんな工夫や試行錯誤があったか?
もともとオフィス区画だったことよりも、オフィスの築年数の古さが工事をするにあたってはネックになりました。ガスの引き込みが少なかったり、給水の管の径が小さいなどで設備関係の部分でレイアウトや既存を活かすことで美容室へ変化させていきました。デザインの部分では、天井がオフィス仕様で見栄えがする感じではなかったので、目立たないように白で天井を塗装したり、建具なども同じ色で合わせることで調和させていきました。あとはオフィスビルであるので上下階の皆様にご迷惑がかからないように頻繁に工事の音が迷惑になってないか確認とご挨拶に伺いました。
04
最後に
今回は白を基調として内装をつくっていったのですが、白にするための下地が木材だったり、鉄だったり。また木材でも材種が異なるので下地が出てしまってくるものがあったりと簡単に見えて均一にな色を出していくところに難しさがありました。塗装はマッドだけど、コーキングや油性の塗装は多少艶が出てしまったり。そんな白を基調とする中でもポイントとして少しやわらかいクリーム入りのタイルを使ったり、微かな色の変化で間延びしない空間が造られていくのを見るのはとても魅了されました。設計の人が描いている世界をつくっていく中で感じられるのは施工の醍醐味だなと。照明やコンセントの位置はいつもながら悩みつつ学びつつ美容師さんが使いやすいコンセント位置、カットしやすい照明の位置を設計の横山さんと考えながらやらせて頂きまた1つGTSSさんのために成長できた気がします。
CATEGORIES: 店舗